過活動膀胱という病名を耳にしたことはありませんか?
これは尿意切迫感を感じる病状を意味する新しい用語です。学会と製薬会社が協力して、旧来からある病名に新しい衣をまとわせたキャッチコピーのような造語で、英語で造語されたものを日本語に直訳したらかえって意味がわからなくなってしまった例のひとつです。これもグローバル化の仕業です。
さて過活動膀胱、つまり尿意切迫感のある状態とは、急に尿意を催してすぐにトイレに駆け込まなければ漏れてしまいそうになる状態のことです。尿の我慢が効かない状態の一種で、このような状態の半数の人は実際に尿漏れを経験します。
このような状態は、中年期以降加齢によって男女ともに現れやすいもので、健康な人にも起こります。また女性では20代の若い方にも起こることがあります。膀胱は尿をためておき、必要な時に排出するという役目の臓器ですが、一見単純なこの仕事も実はかなり精巧な神経の働きによって支えられている機能なのです。センサーが過敏になってエアコンの温度調整がおかしくなるのと同じように、膀胱を制御するセンサーに何らかの異常が発生するために、膀胱が勝手に収縮してしまうのではないかと考えられています。
新しい言葉を用いたキャンペーンが始まった背景には、この分野での世界的な新薬の開発がありました。次回は過活動膀胱の治療の進歩についてお話ししたいと思います。
泌尿器科診療では、特に前立腺肥大症の診断治療、女性尿失禁の診断と治療、投稿年の排尿障害の治療、血液検査、神経因性膀胱の治療、腎不全の治療、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌などの泌尿器科系癌の検診と治療コンサルタントなどに力を入れております。
血液透析は日中および夜間に行なっております。
すでに透析を導入されている患者さんでも、交通の便などから当院での透析治療を希望される方はご相談ください。