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泌尿器科Q&A
泌尿器科解体新書
第21回 前立腺がんを知る(多様な治療法)

 前立腺がんは、高齢者社会において大変増えているがんですが、進行が他のがんに比べて穏やかなものが多く、また進行しても内分泌療法という有効な治療があるので、〝がんであっても長寿〟できる場合が多いことを前回はお話ししました。

 それでも早く見つけて根治するに越したことはないという考えから、がんマーカーであるPSAが低いうちから精密検査を行い、がんを早期発見して手術や放射線治療を行う事を泌尿器科医は目標にしてきました。しかし一部のがんでは治療しなくても長寿できるものがあることがわかり、早期発見早期治療をどこまで極めるかという点については、専門医の間でも温度差があります。

 さて、最近、手稲渓仁会病院が手術ロボットの〝ダビンチ〟の北海道1号機を購入したというニュースを見聞きした方は多いのではないでしょうか。ロボットといっても歩くロボットではなく、腹に穴をあけて棒を入れ、棒の先に付いたロボットの手が人の遠隔操作によって動くという代物です。

 従来の手術よりも精緻な操作が可能となり、米国では前立腺がん手術のほとんどがロボット手術にとって代わりました。日本では、コストが高いこと・まだ保険適応ではないことからほとんど採用されていませんが、今後少しずつ普及していくかもしれません。しかし現在一般的に行われている開腹手術や腹腔鏡手術も技術的にはかなり完成度が高く、ロボットとほぼ同じくらい安全で良い手術が行われていますのでご安心ください。

 米国では手術と同じくらい、いやそれ以上に放射線治療は普及しています。特にIMRT(強度変調放射線治療)という安全に強力な放射線を照射できる装置が開発されて人気です。この方法は札幌でもいくつかの病院が採用しており利用できます。IMRTによっていまや根治手術と遜色ない成績が放射線治療でも得られるようになり、手術にするかIMRTにするかは、特徴的ないくつかの副作用の差異が選択の基準になっています。

 さて、前立腺がんとわかった時にどの治療を選んだらよいのでしょうか。答えは1つではありません。今日は内分泌療法の話は割愛しましたが、手術・放射線・内分泌療法・無治療経過観察など多様な方法から患者さん自身が治療法を選択する時代になっています。

 その時、病院は自分たちが得意な治療を勧めがちです。全ての最先端の治療を採用している病院はほとんどなく、多くはその病院(あるいはその先生)の得意な治療法をすすめがちになるものです。

 私どものクリニックでは、外来的に精密検査(生検)を行いがんと診断したあと、治療法については偏りなく説明して選択の手助けをいたします。そして最先端の治療がどこで受けられるかの情報を提供できます。