泌尿器科解体新書

第08回 前立腺炎の症状と治療法

 今日は前立腺炎のお話をさせていただきます。

 前立腺は膀胱の下に尿道を取り囲むようにあるクルミ大の臓器です。若年~中年男性で〝オシッコが近くなって、膀胱炎になったようだ〟と言われて受診される方が少なくありませんが、男性は尿道が長いため、単純な膀胱炎にはなりません。

 原因の多くは前立腺炎です。他の症状として、排尿時痛・会陰部痛・残尿感などで炎症が強いと発熱もします。前立腺炎には、急性前立腺炎・慢性前立腺炎があります。

 急性前立腺炎は、尿道内の細菌が前立腺に入り込み、冷え・疲労などの要因が加わり比較的短期間に発症します。治療は抗生剤を内服することで、大部分の患者さんは治癒することができます。しかし、膀胱炎の場合2~3日間の内服で軽快しますが、前立腺炎は4~6週間の内服期間を要します。

 慢性前立腺炎は、病名の最後に〝炎〟とついていますが、細菌感染が原因であることは少ないため、前立腺関連疼痛症候群とも言われています。多くは前立腺液の停滞・骨盤静脈の鬱帯・骨盤神経の緊張などが考えられますが、原因の特定は困難です。

 抗生剤・抗浮腫薬・漢方などで治療しますが、これだけでは満足のいく症状の改善が得られないことがあり、ライフスタイルの工夫が必要です。つまり、前立腺に悪い影響を与える冷え、疲労、長期座位、長時間のドライブ、飲酒を意識的に避けていただきます。さらに水分摂取、半坐浴、適度な運動なども有効です。(臼木)

泌尿器科診療と血液透析

泌尿器科診療では、特に前立腺肥大症の診断治療、女性尿失禁の診断と治療、投稿年の排尿障害の治療、血液検査、神経因性膀胱の治療、腎不全の治療、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌などの泌尿器科系癌の検診と治療コンサルタントなどに力を入れております。

血液透析は日中および夜間に行なっております。
すでに透析を導入されている患者さんでも、交通の便などから当院での透析治療を希望される方はご相談ください。