泌尿器科解体新書

第15回 頻尿のタイプと症状について

 今日は頻尿についてお話しします。高齢者では特に夜間の頻尿で悩んでおられる方も多いのですが、それは別の機会に話すことにして、今日は昼間の頻尿について考えてみます。

 慢性の頻尿を経験したことのない大多数の健康人にとって、なぜ頻尿がそんなに困るのかわからないという方も多いと思います。しかし頻尿の患者さんが口をそろえて言うのは、いつもトイレの場所を確かめてから家を出なければならず、そのため外出も億劫になって、精神的にもかなりのストレスになっているという事です。

 昼間の頻尿にはいくつかのタイプがあります。ひとつは過活動膀胱といわれるタイプで、頻尿の他に尿意切迫感(急に尿意を催して我慢できない状態)を伴います。これは健康な方でも中高年になると起こりやすく、いわば老化現象ともいえます。もし男性でこのような症状があり、かつ排尿しづらい症状をも伴う時には前立腺肥大症を合併していることがあります。

 ふたつ目のタイプは多飲による頻尿です。つまり単に水を多く摂取しているために多尿になり頻尿になっているケースで、これは内科の先生やテレビの司会者が盛んに水分摂取を奨励する結果、最近とても増えている状態です。本人は多飲の自覚がない場合が多く、排尿記録をつけて見てはじめて納得される方もいます。多飲も度をこすと頻尿になりますので、何事もほどほどが肝心です。

 もうひとつ重要な頻尿の原因として間質性膀胱炎がありますが、これについてはまた別の機会にお話しいたします。

泌尿器科診療と血液透析

泌尿器科診療では、特に前立腺肥大症の診断治療、女性尿失禁の診断と治療、投稿年の排尿障害の治療、血液検査、神経因性膀胱の治療、腎不全の治療、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌などの泌尿器科系癌の検診と治療コンサルタントなどに力を入れております。

血液透析は日中および夜間に行なっております。
すでに透析を導入されている患者さんでも、交通の便などから当院での透析治療を希望される方はご相談ください。